みなさま こんにちは。
鳥取県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエ上級プロの長島明子です。
今月よりまつのベジフルサポーターを
務めさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
さっそくですが、1月15日は何の日か
ご存知ですか?
実は、鳥取県では、原木シイタケ
「とっとり115(いちいちご)の日」。
1月15日から2月15日の1ヶ月間は
「とっとり115月間」です。
この「115」は、鳥取県の一般財団法人
日本きのこセンターが開発した品種
「菌興(きんこう)115号」のこと。
(写真提供 一般財団法人日本きのこセンター)
肉厚で弾力のある食感と芳醇なうま味が
特徴のシイタケとして、他県でもブラン
ド化されている品種。石川県の「のとて
まり」をご存知の方もいらっしゃると思
いますが、これも「菌興115号」です。
先月、この「115」が栽培されている
シイタケ栽培には原木栽培と菌床栽培が
ありますが、こちらは原木栽培。
こちらが菌床栽培の様子です。
オガクズなどに栄養材を混ぜた培地で、
短期で生育する安定的に収穫可能な菌
床栽培に比べ、原木栽培は山から切り
出したクヌギやコナラなどに種菌を植
え付け、森の中で自然に近い環境で長
い時間をかけて育てる方法。収穫は天
候にも左右され、手間暇がかかります
が、原木自体が栄養源で、農薬や化学
肥料は使わずに育ちます。
「115」は原木栽培用の品種で、原木
から自然発生する(芽を出す)には、
ほだ場の最低気温が5℃程度になるこ
とが条件。発生した「115」はほだ場
の最高気温が10~13℃で成長が進み
ます。この条件に合うのが冬〜春先。
ただし厳寒期は成長が遅くなります。
ほだ場でほだ木を観察すると、シイタケ
にビニール袋がかけてありました。
(写真提供 一般財団法人日本きのこセンター)
これは、気温が低く成長に時間がかかる
寒冷期に温度と湿度を保ち、シイタケを
大きく肉厚に育てるのが目的。寒冷期以
外は、通気性を増すために穴のあいた袋
をかけたり、雨よけとして厚手のビニー
ルシートを使用する場合もあるそう。
シイタケが親指くらいの大きさになると
透明な袋をかぶせ、風で飛ばされないよ
うに固定します。
このように手間をかけて大事に育てら
れる「115」。高品質で美味しいこと
は、全国のシイタケ生産者には知られ
ていますが、一般的にはこの名称はあ
まりなじみがないかもしれません。
そこで、鳥取県はその美味しさを多く
の人に知ってもらい、ファンを増やす
取り組みをしており、特に厳しい規格
基準を満たした最高品質のものを
「鳥取茸王(たけおう)」
としてブランド認定しています。
(写真提供 一般財団法人日本きのこセンター)
傘の直径(傘径)が5cm以上のものを
「とっとり115」(レギュラー規格)
傘径8cm以上で厚さ2.5cm以上を
「鳥取茸王 銀ラベル」、
傘径8cm以上で厚さ3cm以上を
「鳥取茸王 金ラベル」と
ランクづけしています。
「鳥取茸王」は、1本の「115」の
ほだ木から1割しか作れないそうで、
まさにシイタケの「王様」です。
ちなみに、昨年の築地の初取り引きでは
「鳥取茸王 金ラベル」は1kg13,000円
という高値がついたそうです。
鳥取県では「とっとり115」を多くの人
に知ってもらうため、イベントを開催。
県内の28の飲食店が「とっとり115」を
使い、オリジナル料理を提供します。
私は、同フェア主催者の関連企業で、
鳥取できのこ料理を食べるなら、まずは
ココ!という場所「しいたけ会館対翠閣」
で「きのこランチ」をいただきました。
(フェア参加店ではありません)
きのこづくしで、メインディッシュは
「しいたけステーキ」。
(写真提供 一般財団法人日本きのこセンター)
「とっとり115」の乾シイタケを使って
います。あわびと間違えるほどの歯ごた
えで、噛むとうま味が口の中に広がり、
食べごたえがありますよ。「山あわび」
と言われますが、食べると納得です。
今の時期しか手に入らない
「とっとり115」の生シイタケ。
フライパンで素焼きにしてポン酢を
かけるもよし、オリーブオイルで焼いて
仕上げにしょうゆをかけるだけ。それに
ちょっとバターを足してもグッド。
シンプルな調理法がおすすめです。
本当に美味しいシイタケはあれこれ手を
シイタケは一年中手に入るイメージがあ
りますが、鳥取県が生んだ自慢の原木シ
イタケ「とっとり115」をこの旬の時期
にぜひ味わってみてください。県外では
日本橋三越本店で購入できます。
鳥取県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエ上級プロの
長島明子でした。
コメント
コメント一覧 (1)
丸みのあるボリュームたっぷりなかさだと思います。
原木自体を栄養源とする原木栽培、普段野菜を栽培をする際に当たり前のように施肥を行う自分としては不思議な感覚です(木に成長に必要な栄養が元々備わっているということですよね)。
冬期の葉菜類栽培は、成長がゆっくりなためじっくり時間をかけて育てるのですが、シイタケも同じなのですね。
写真の鳥取茸王、ボリュームのあるかさにまるで細工のような切れ込みがあり、とてもキレイです(この鳥取茸王はどのランクなのでしょうか?)。
しいたけステーキのとっとり115、肉厚で見事な断面だと思います。
菌興115号は正にその存在感と風格から、王様にふさわしい立派なシイタケだと思います。