石川県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエの本田智世です

やさしい色合い、莢がやわらかく
若々しい青っぽい香りが特徴の
加賀野菜の『加賀つるまめ』を
露地で栽培されている
村島嘉孝さんにお話を伺いました


加賀野菜とは…
昭和20年以前から栽培され
今も金沢近郊で栽培されている
伝統野菜で現在15品目認定
されています
6月下旬~10月中旬に出回る
「加賀つるまめ」
全国的には「千石豆」の他に「フジマメ」
「隠元豆」と呼ぶ地方もあり
北陸の家庭料理用で
加賀料理の食材として
古くから親しまれ
旬の今はスーパーや直売所に
多く並んでいます。
たくさん生ることから「だら豆」とも
呼ばれたりしています
「だら」とは、こちらの方言で
「あほとかばか」の意味ですが
愛情が込められた言い方
なんです
旬には1本の木から“だら”ほど
採れる”という意味です
村島さんの畑の第一印象は
整然としていて、とてもきれい
葉もツヤツヤで蔓も太くてハリがあります。
つるまめには白花と赤花があり
加賀つるまめは白花で
とてもかわいい白い花を咲かせます
美しく美味しい「加賀つるまめ」を作る
ためには、世話をしてあげることが
大切だと村島さんはおっしゃいます!
蔓が元気に育ちすぎて隣の支柱に
巻きついたり、うまく巻けなかったり
したら直してあげます
細い蔓が伸びすぎると花を
咲かせなくなったり、風通しも悪く
日も当たらなくなると
虫もつきやすくなります。
風が吹くと外れて倒れることも
あるので蔓をちゃんと誘導してあげて、
重なっている葉を1枚、1枚ちぎって
光や風が当たるように丁寧に
気を配っています
加賀つるまめは暑さに強いですが
寒さには弱いので、種をまくのは
お彼岸頃。暖かくなってきたら
ポットに3つまいて、1ヶ月程したら
苗を2つにして畑に植えます。
その時に支柱も一緒に立てます。
この支柱は村島さんのたけのこ山の
竹も利用し作業しやすい高さに
されています。
加賀野菜という誇りと責任をもって
市場に出していらっしゃいます
莢の表面が白く、中の豆がよく
肥大している方が味が濃くて
柔らかいので、
きれいな形、緑白の優しい色
莢に傷の無いものを厳しく選んで
出荷されています
種を守ることもとても大切に
されています。
加賀つるまめを守り継ぐため
良いもの…大体5~6粒入った
物を選んで、収穫せず成長させて
十分に膨らんだ豆を乾燥させ
来年の種付けに使います
加賀つるまめの家庭料理として
よく食べられているのは
厚揚げとの煮物。
味が染みた揚げと加賀つる豆は
とても相性がよくて
懐かしい味がします
筋をとってさっと茹で
香ばしく煎った黒ごまで作った
ごまみそで和える
加賀つるまめの胡麻よごし♪
天ぷらは特におすすめ
村島さんもイチオシです
豚をしゃぶしゃぶしてキムチと
茹でた加賀つる豆を和えると
簡単でビールにぴったりな
おつまみになります
種を守ること
手をかけてやること
加賀野菜「加賀つるまめ」を
守り続ける村島さんの
優しく熱い思いが
かわいらしい豆から
伝わってきました
石川県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエの本田智世でした
コメント
コメント一覧 (2)
蔓を誘引する支柱に竹材を使用することは、資材においても自然由来の素材を使うということであり、まさに有機農法ですね(自然に優しい)。
そして、これらの一つ一つが村島さんの野菜作りへのこだわりであり、つる豆への愛情表現のような気がします。
地野菜は、昔からその姿を変えることなく今に伝えられています。
しかしながら、野菜を取り巻く環境というのは時代の経過と共に変化して来たはずです。
だから地野菜の栽培は難しく、手間もかかるのだと思います(変化する環境の中で変わらぬものを作る)。
しかしながら、この大変さもその野菜の価値を生み出す重要な要素なのではないでしょうか。
だから、地野菜を栽培している生産者の方は皆、野菜に対する愛情や強い想いを持ち合わせているのだと思います。
そして、生産者のひたむきな姿勢もまた野菜の価値を生み出す重要な要素であると感じます。
美味しい野菜は良い環境が作る!愛情込めて野菜を作っていらっしゃる七海さんだからこそわかる基本ですね。
自然に優しく、変化する環境の中でも変わらぬものを作る。
たくさんの手間を惜しまずできるのは、野菜に対する愛情や熱い想いなのですね。
その素晴らしい価値を生活者の皆さんにお伝えできるよう、もっと勉強していきたいと思いました。