石川県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエの本田智世です
加賀野菜の「赤ずいき」は
鮮やかな色が特徴
さといもの一種である
「八つ頭」(やつがしら)の葉柄で
酢の物にすると、すっきりと
口当たりも良く、シャキシャキとした
歯ざわりで古くから親しまれています。

お父さまの代から「赤ずいき」を
育てている、金沢市の農の“匠”
山岸富松さんにお話を伺いました![]()

昭和20年以前から栽培され今も
金沢近郊で栽培されている伝統野菜を
加賀野菜といいます。
「赤ずいき」の種芋、八つ頭の名前は
親芋を中心に小芋がくっついて
1つのかたまりになった里芋で
親芋の周りに付く小芋が
8つの頭に見えるので
ヤマタノオロチ(八岐大蛇)から
来ているんだよ。
と教えてくださいました。
「うちのずいきは皮剥かんでも
美味しく食べられる
」
「この赤い色が自慢
」
収穫の直前に3回の追肥で
軟らかくする工夫をし、
天然の赤いきれいな色は
金沢の山間いにある畑の
この土と朝晩涼しく寒暖差が
あること、半日日が当たり
半日陰るのがいい![]()
食物繊維豊富でアントシアニン
たっぷり![]()
活性酸素の生成を抑える効果も
期待できるので、ぜひ多くの方に
食べてほしい![]()
と
おっしゃっていました。
いのしし対策もしていらっしゃいます。
目の大きい虫が出るけど、
かわいらしいから、
手に乗せて見ている![]()
と楽しそうにお話して下さいました。
なるべく農薬に頼らない
栽培をされています。
そして、この大きい葉っぱが
日焼けから守ってくれるそうです。
大事なのは「種」
大きい種だと大きい株になる。
収穫した種芋は冬の間
「室」に保存するそうです。
あまり寒いと腐ってしまうので
穴を掘って、入れ方を工夫して
赤土を入れて蓋をする。
雪で覆われた「室」の中で
種芋を守っています![]()
大切に保存した種芋は
3月頃「室」から出して選別し
コンポストと種芋を混ぜて
ポットに入れます![]()
ハウスで大きくなったものを
4月に。少し小さめのものは
5月に植えます。
平らな所に植え、肥料を
与えながら畝にしていきます。
水分がないと良い色が出ない為、
水やりはとても大切で、ポリタンクで
運んできてあげるそうです。
収穫は鮮度が落ちないように
朝、5時頃から日の出まで![]()
掘り起こして
↓
トラックに乗せて
↓
湧水で洗って
↓
家で箱詰めします。
山岸さんはこの作業を
弟さんと息子さんの3人で
行っているそうです。
収穫したばかりの「赤ずいき」を
いただきました![]()

夏の常備菜「赤ずいき」と言えば
酢の物です。
豚肉で巻いて甘辛く煮ると
赤ずいきがとろっとした
食感になります。
生産者が今は5人ほどしか
いらっしゃらないそうです。
8月が最盛期の加賀野菜の
「赤ずいき」
大切に守り育てられていることに
改めて感謝した1日になりました![]()
石川県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエ 本田智世でした![]()
コメント
コメント一覧 (2)
県外から来た自分にとって、初めて見た赤ずいきは「これは野菜なの?」という印象でした。
また、「どやって食べるのだろう??」と謎に満ちた存在でした。
しかし、今回の紹介文を読んで赤ずいきについて名前の由来や栽培方法、生産者の思い、調理方法までも知ることができ、赤ずいきとの距離がぐぐっと縮まった気がします。
そして毎度のことながらどの項目もボリューム満点!
猪対策の電気柵、その土地ならではの問題があるのですね。
しかしながら、農業は自然との戦いでありながら自然の恩恵なくしては成立しないものでもあります。
そう言った相反する2面性も伝えて行くべき重要な要素だと思います。
虫を手に乗せて愛でる山岸さんの姿勢は、自然に対する感謝と敬意の表れのように感じられました。
「赤ずいき」の圃場に行き、山岸さんのお話を伺い、改めてどの生産者さんも
深い愛情をもって野菜・果物と向合い育てていらっしゃることに
尊敬と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
私も赤ずいきが関西や四国、九州でも食べられていることを
全国のベジフルサポーターさんに教えていただき初めて知りました。
その土地ならではの物、大切にしていきたいですね。