兵庫県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエ
フードライターの坂田理恵です。

先日、兵庫県南部地域の稲美町で
アスパラガスの栽培を手がける
生産者さんをお訪ねしました。
この地域で「アスパラ」といえば
大西農園さん!と農業関係者の
みなさんから信頼度抜群の
アスパラ名人です。

そんな名人の農園で、アスパラの意外な
真実を知ることになろうとは!
さて、一体、どんな真実が
待ち受けていたのでしょうか♪
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兵庫県・稲美町で、主にお米と麦を
栽培する農家に生まれた大西初巳さん。
34年間の会社員生活を経て、
家業の農業を継ぐことになりました。
ご子息と一緒に、大西農園を運営して
いらっしゃいますが、アスパラガスの
栽培に携わっているのは、
園主の初巳さんと奥様のおふたり。
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9つのビニールハウスで
アスパラガスを育て、
出荷は2月から10月頃まで続きます。
根株を定植してから収穫に至るまでに
3年もの年月を要し、大変手間の
かかる作物なのです。
けれど、ひとたび栽培に成功すると
10年から15年程度は収穫でき、
その苦労も大いに報われるという
夢のある作物でもあります。
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露地栽培で育てると3年目ぐらいまでは
収穫できますが、それ以上になると
病気にやられてしまうのが常で、雨や
菌にも弱いという一面もあります。
そのため、ビニールハウスのなかで
快適に守られ育てられるように。
ハウスには霧状にした水を噴射し
ミストサウナのなかで育つという
イメージがぴったりです(笑)
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ここで、アスパラガスの歴史について
お話ししましょう。
アスパラガスが日本へやって来たのは
江戸時代。当初は観賞用として
楽しんでいたのだそう。
ヨーロッパでは紀元前から
栽培されていた歴史があり、
古くから人々の暮らしに溶け込んでいた
野菜だったのですね。
日本で食用として、本格的な栽培が
始まったのは、大正時代のお話です。
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さて、大西さんのアスパラ畑では
そろそろ収穫が始まっている様子。
三輪車のような乗り物で、
枝切りばさみ状の道具を使って
次々に収穫していく大西さん。
どうしても中腰での作業になるので
腰痛対策で、独自の収穫方法を
編み出されたのだそうです。
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別のビニールハウスでは
栽培の手法そのものを変えていて
利用される道具も少し違います。
さきほどのハウスでは進行方向に
向かってまっすぐに進む車、
こちらではバックしながら収穫する
方法が取り入れられています。
研究熱心な大西さんは、
常に新しい手法に取り組み、
日々前進を続けていらっしゃいます。
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いろいろとお話を聞くなかで、
意外な事実も飛び出しました!

なんと、アスパラガスには
性別があるのをご存知でしたか?
外見的な特長がはっきりと
違っていて、すぐに見分けることが
できるんですよ。
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穂先がバラバラと膨らんでいるように
見えるのがオス、穂先がしっかりと
閉じているように見えるのがメス、
なのだそう。意外でした!
上の写真なら、左から
メス、オス、メス、メス、オス???
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大西農園さんのアスパラガスは
近隣の契約スーパーへ出荷されるほか、
稲美町に昨年11月にオープンした
JA兵庫南の農産物直売所
にじいろふぁ〜みんでも購入できます。
にじいろふぁ〜みんHP

紫アスパラは加熱すると色が抜けて
グリーンになってしまうので
お客様からの需要が少なく
来期は栽培しないかもしれない、
とのこと。なんとか来年も
継続していただければいいなと願う
野菜ソムリエなのでした。
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採れたて新鮮なアスパラガスは、
軽く塩ゆでしただけでも甘みが
ぐんと際立ちます。
鮮度劣化も早いので、
茹でてしまってから保存するのも
おいしく食べるコツのひとつです。
根元は少し固く感じるので、
皮を5センチ程度ピーラーでむくと
食感が断然違ってきます。
とろ〜りポーチドエッグを添えて
パルメザンチーズもぱらり。
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たっぷりの新じゃがと新鮮なたこ、
マヨネーズは控えめにして
大葉をきざんで和風テイストな
ポテトサラダを作り、アスパラも
加えてみました。
シャキシャキ食感が意外に楽しくて
あっという間にお皿は空っぽに。
家族にも大好評な一品でした。

収穫までに3年もかかって育てられ、
ようやく旅立つアスパラガス。
生産者さんの愛情で慈しまれ
大切に育てられた箱入りムスメ、
あるいはムスコくん???
性別を見分けながら(笑)
おいしく楽しく食べてみてくださいね。

兵庫県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエ
フードライターの坂田理恵でした。