山梨県のまつのベジフルサポーター
ジュニア野菜ソムリエ
フリー編集者＆ライター
藤原恵里です

今日は私の故郷・山梨県北杜市の
話題をお届け致します

桜の便りがあちこちから届きますが、
標高約1000mの八ヶ岳南麓では
まだまだ蕾が硬く、桜の開花は
もうしばらく先になりそうです。 

さて、今年の冬は暖冬とはいえ
やはり長く厳しい冬でしたが、
その厳冬期の冷え込みを利用して
寒干し大根が作られています。
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秋頃まで店頭に並ぶという
八ヶ岳南麓ならではの保存食、
その製造現場に密着しました。 

約8年前から寒干し大根の生産に
取り組んでいる小淵沢きびの会
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設立から10年、野菜や雑穀を栽培して
県内外の直売所や飲食店に出荷する傍ら
農閑期を利用して寒干し大根を作り、
販売しています。

昨年、遊休農地を活用して栽培した
大根はおよそ6500本
11月に全て収穫し、土に埋めて保管、
12月下旬になったら掘り起こして、
加工作業を開始します。

真冬の厳しい寒さの中、
1回につき約700本を洗う作業は
想像以上に過酷です。 
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それでも、黙々と作業を続ける
生産者さんたちの姿は本当にたくましく
そして眩しく感じられました。

さて、洗った大根はハウスに運び、
約2.5cmの厚さに切ってから
一晩水に浸しておきます。
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翌日、水に浸けておいた大根を
乾燥台の上に並べる作業を行います。
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この大根がとっても冷たくて重くて…
大人の男性でも一苦労
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作業台の上に寒冷紗を敷いて、
大根同士が重ならないように
きちんと並べていきます。

気温がぐっと下がる夜間に
しっかり寒風が大根に当たるよう、
ハウスは閉め切ることなく開放して
通気性を良くしておきます。 
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そして、山々から吹いてくる
八ヶ岳おろしと呼ばれる
凍えるような強風と霜にあたり、
凍結と解凍を繰り返すうちに
徐々に大根の水分が抜けていきます。

こちらが小淵沢きびの会の細川勇二会長
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「ただ干しておけば良いのではない。
　3日おきに裏返す作業をするので
　案外手間がかかるんだよ」と語ります。

乾燥させること約1ヶ月、
大根のでんぷん質が糖に変わり
独特の甘みと食感が生まれます。
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甘みが増すだけでなく、
カリウムや鉄分、カルシウム、
食物繊維といった栄養素も
倍増するそうです。

しかし、今年は例年にないほどの暖冬。
その影響は顕著に表れていて
今年の寒干し大根には
色がついてしまったものが
数多く見られました。
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「今までこんなことはなかった」
と細川会長も驚いていました。
でも、きちんと検査をして、
身体に害は無いことが判明し、
水に戻すとこの色は抜けるのですが、
やはりこのように色が付いたものは
販売することはできません。
出来上がった寒干し大根の様子から
暖冬だったことを改めて実感しました。

さて、このようにしてできあがった
寒干し大根を袋詰めしていきます。
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こんなパッケージで店頭に並びます。
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こちらは切り干し、輪切り、割り干し
の3種類が入ったもの。
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こちらの3種類の寒干し大根については
以前もご紹介させていただきました。
レシピも掲載しておりますので、
ぜひこちらをチェックしてくださいね！
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自分たちの手で地域の特産品を！と、
毎年、伝統的な製法で寒干し大根を
作り続けている小淵沢きびの会。
ここ数年は都内の百貨店にも出荷し、
その豊富な栄養価や美味しさが
口コミで広がるにつれて
年々注文数が増加傾向にあるそう。
今も連日出荷作業に追われていますが、
いよいよ土作りや種まきなど、
農作業も始まりました。

暖冬の影響が今年の農作物に
どのような影響をもたらすのか、
今年の気候はどうなるのか…
自然と向き合う農家さんにとって
穏やかな一年となることを
祈らずにはいられません。

そして、山梨と長野を旅する中で
今年はどんな野菜＆果物に出会えるのか
私自身もその魅力や奥深い世界を
めいっぱい楽しんでいきたいです☆