兵庫県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエ
フードライターの坂田理恵です。

先日、京都府南丹市美山町で、
手作りこんにゃく
ワークショップが
にぎやかに開催されました。

美山町萱野地区で作られている
手作りこんにゃくを食べると、
これまでのこんにゃくのイメージが
一変しますよ♪ と、
地元のかたにおすすめいただき、
私もワークショップに興味津々で
参加してきました。

みなさん、こんにゃくって、
どんなふうに作られているか
ご存知でしょうか?

さて、その原料とは??
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加工品としてのイメージが強い
こんにゃくですが、
その原料は蒟蒻芋

じゃがいものような形で、
サトイモ科に属しています。

平成28年2月に、
農林水産省から発表された
特定作物統計調査を見てみると
平成27年度の蒟蒻芋の収穫量は
群馬県が最も多く、56,500t。

続いて栃木県、茨城県と続き、
関東地方での栽培が
圧倒的に多いようです。
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かやぶきの里として知られる
京都府南丹市美山町でも、
以前は、お正月の準備として
お餅つきをした後に、
蒟蒻芋から手作りのこんにゃくを
各家庭で作っていたのだそう。

時代の流れとともに、
手間のかかる作業が
だんだんと敬遠されるようになり、
こんにゃくは家で作るものから、
買ってくるものへと
変わっていきました。
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そんななか、美山町萱野地区では、
町おこし事業の一環として
4人の女性が代表メンバーになり、
萱野こんにゃくグループを結成。
平成元年から手作りこんにゃくの
製造・販売をスタートさせました。

近隣の若い世代が集まって
結成された支援グループ
こんこんひろば」と協力しあい
活動を行っています。

先日、京都府・食育のたね交付金を
活用した事業として、
支援グループ「こんこんひろば」主催の
食育イベントが行われ、
おとなとこどもを含め、
30名以上の参加者が集まりました。
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蒟蒻芋は保存がむずかしく、
傷みやすいために、収穫後、
乾燥させて細かく粉砕した精粉で
加工する方法が一般的。

萱野こんにゃくグループでは
昔ながらのやりかたで、
生の蒟蒻芋を茹でて
すりおろしたものを原料に
こんにゃくが作られています。

すりおろした蒟蒻芋は、真っ白!
専用の器械で練り込み、
絶妙のタイミングで
灰汁(あく)を入れて固めます。
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ここでいう灰汁とは、
くぬぎなどの広葉樹を燃やして
できた灰に熱湯を混ぜて
漉したもの。

実は、蒟蒻芋
なかなか手のかかる作物で、
収穫されるまでに、
およそ3年もの歳月を要するうえに、
生で食べるとビリビリと
しびれるほどの激しいエグ味を
含んでいます!

このエグ味の正体は、
おもにシュウ酸で、そのままでは
とても食べることができず、
畑の作物を狙うイノシシでさえも、
ソッポを向く、というツワモノ(笑)


灰汁には、このエグ味成分を
中和させる働きがあり、さらに、
こんにゃくの凝固剤としての
役割も果たしていて、
昔ながらの知恵には、
驚かされるばかりです!
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灰汁の配合や分量など、
試行錯誤を重ねて
導き出したレシピは、
萱野こんにゃくグループ
企業秘密なのだそう(笑)

灰汁を混ぜあわせて
しばらく撹拌したのち
ほどよく固まった
こんにゃくのタネを
ボールに取り出します。

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小さなこどもたちも、
かわいらしい手で、こんにゃくを
くるくるっと丸めていきます。

中に空気が入ってしまうと、
あとで割れてしまうので、
気をつけながら作業します。
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次に、丸めたこんにゃくを、
熱湯で20〜30分茹でます。

その日の温度や湿度などによって、
最適な茹で時間が
少しずつ違うのだそう。
萱野こんにゃくグループのみなさんの
長年の経験と勘が頼りです。
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茹で上がるのを待つ間に、
手作りこんにゃくの
楽しい試食タイム。

なんとスイーツの登場です!
黒蜜ときなこをかけて、
わらび餅のようにして
いただきました。

驚くほどのもちもち食感!

特有のにおいも感じられず、
手作りこんにゃくの
おいしさをあらためて
実感できました♪
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イベント終了後は、
参加者のみなさんで作った
こんにゃくをおみやげとして
持ち帰ることができ、
真剣な表情でこんにゃくを選ぶ
こどもたちの姿が、
とても楽しそうでした。

地域で守り継がれている伝統食と
食育活動のコラボレーションは
こどもたちのみならず、
おとなにとっても
楽しいイベントとなりました。
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美山町萱野地区の
手作りこんにゃくは、
蒟蒻芋が収穫される10月以降、
4月までの限定生産です。

お問い合わせはこちらへ♪
萱野こんにゃくグループ
0771-75-1277(田中さん)
0771-75-1361(藤原さん)


もちもち食感の萱野こんにゃくは、
次世代へ継承したい日本の伝統食。
ぜひ一度ご賞味くださいね。

兵庫県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエ
フードライターの坂田理恵でした。