皆様こんにちは。
香川県のまつのベジフルサポーター
アクティブ野菜ソムリエ
ベジフルビューティセルフアドバイザー
川村 章子です。

河川決壊の被害に遭われた方へ
お見舞い申し上げます。
不自由な生活が少しでも早く
回復しますことをお祈りしています。


さて、香川の圃場では、
夏野菜の名残の
ナスやピーマン、
オクラなどが
実っているところに
元気いっぱい上を向いて実った
真っ赤な唐辛子が
目に飛び込んできます。
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実は見るからに辛そうですが、
お花は白く、繊細な雰囲気です。
花は下を向いて咲くのに、
実は上に向いて実る。
夏野菜はだいたい上を向いて
咲く花も実はぶら下がる。
不思議ですね。
農業の知識の少ない私には、
背丈と葉っぱが同じような
獅子唐とは、実が上に向いて
いるか、ぶら下がっているか
で分けることができました

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唐辛子はもともと中南米が原産地で、
ナス科トウガラシ属に属します。

唐辛子といっても品種によって辛さは
まったく違い、辛味がほとんどない
甘み種のピーマンやパプリカをはじめ、
「万願寺唐辛子」などの「甘長唐辛子」
などがあります。獅子唐の仲間なのに、
たまにとても辛いものに
遭遇することもありますね(笑)
全体の1割くらいに
辛いのができるそうです。
そのほか、香辛料として使われる
辛み種「ハバネロ」や
「チリ」、
「ハラペーニョ」、
一般的によく使われる「鷹の爪」
があります。

全国の唐辛子の生産量は、
2010年のデータではなんと
東京都が全国第1位!
大分、北海道と続きます。

世界の消費量は、インド、中国、
パキスタン、タイなど、
スパイシーな料理の国が続きます。
韓国も一人当たりの消費量は年間に
4kgといわれ、日本のなんと
80倍も食べているとか。

辛味成分のカプサイシンは、
種子のつく胎座とよばれる部分に
多く含まれ、果皮にも少し含まれます。
ほとんどは乾燥し、加工されますが、
青い唐辛子は生で使うのに適しています
(柚こしょうなど)。

実の形が「鷹(タカ)」の爪に
似ていることから「鷹の爪」と呼ばれ、
唐辛子の品種名に
「鷹」が付けられています。
香川県には、
地元でもあまり知られていない、
絶滅が危惧されている
「香川本鷹」という品種があります。
一般的な唐辛子が3~4cmに対し、
香川本鷹は7~8cmと大きめで、
辛みは強いものの、まろやかさも合わせ
持っている唐辛子です。
今では市場での一般流通がなく、
一味などの加工用や、家庭消費用、
産直で販売用として作られているだけで
「幻の唐辛子」とも呼ばれ、
今収穫の時期を迎えています。
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もともと豊臣秀吉の水軍として
有名な香川県の瀬戸内海に浮かぶ
塩飽(しわく)諸島の方が、
東南アジアから持ち帰って広がり、
朝鮮出兵の際に朝鮮半島に持ち込んで
韓国に広がったといわれています。
韓国の料理には唐辛子は欠かせない
スパイスですが、実は日本から
渡ったものだったんですね。


昭和中頃は、国内で年間
7000tもの生産量があり、
塩飽諸島や荘内半島の段々畑での
生産が盛んで、海外にも
輸出されていましたが、 
しだいに
アジアの安価な輸入品に追われて
生産量が激減しました。
昭和50年代には途絶えたと
思われていたのですが、
たまたま残されていた種を使って、
塩飽諸島で復活させようと、
平成18年、約30年ぶりに
香川本鷹復活プロジェクトが発足し、
栽培されるようになりました。
唐辛子の草木は腰から胸あたりの
高さで実を収穫しやすく、また、
乾燥させると軽い上に、
輸送コストも抑えられるので、
高齢の農家さんでも比較的負担が少なく、
ほかの島でも栽培が再開し、
香川本鷹は復活しました。
一時はある地域のみの栽培でしたが、
最近では、あちこちで香川本鷹が
植えられるようになりました。 

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気候のよい時期で、収穫しやすく、
作物が軽くて、作業性がよい、、、
農家さんに優しい作物というのは、
高齢化する農業事情に
嬉しい話だなと思いました。

唐辛子は栄養価も注目されています。
唐辛子に含まれるカプサイシンは、
アドレナリンの分泌を活発にさせ、
体内脂肪を分解させ、エネルギーを
燃やしたり、発汗作用や消化促進
作用があります。そのほか、日焼け
によるシミ、しわなどの老化防止に
よいといわれるビタミンCや、
視覚作用や粘膜を守り、ガン細胞の
増殖を抑制するビタミンA,
抗酸化作用があり、血中コレステ
ロール値を下げるビタミンE、また、
細胞を正常に保ち、血圧を調整したり、
余分な水分の排出を助けるカリウム
などが含まれています。
唐辛子は辛くておいしいだけでなく、
ダイエット、美容に意識の高い女性
にぴったりの食材ですね。

余談ですが、香川県は
オリーブ、ニンニクともに
生産量が全国トップクラスで、
小豆島には国内有数の
ゴマ油工場があります。
ゴマ油と唐辛子でラー油ができますし、
香川県は調味料、スパイス王国と
いっても過言ではないかもしれません。

最後までお読み下さり、
ありがとうございました。

香川県のまつのベジフルサポーター
アクティブ野菜ソムリエ 
ベジフルビューティセルフアドバイザー
川村 章子でした。