こんにちは。
京都府まつのベジフルサポーター
シニア野菜ソムリエ
管理栄養士の
中本絵里です。

祇園祭もはじまり、京都も夏本番。
今回は、京都の夏を飾る野菜の
ひとつ【賀茂なす】をご紹介します。
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皆さんご存知のように、賀茂なすは、
普通のなすびに比べ、        
果肉がギューっと詰まって
とってもジューシーです。
また、加熱がすすむとトローッとした
食感がたまりません。
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果肉が緻密なので、普通のなすでは、
調味料に負けてしまうような料理でも、
存在感を存分に発揮できる
お茄子です。
繊細な味付けで、果肉のジューシーさを
味わうのも美味しいです。


今回は、
野菜ソムリエコミュニティ京都で
行われた賀茂なすの産地見学に
参加しました。

賀茂なすは、元々は、京都市北区の
上賀茂地区で作られていたもので、
同地区では現在も大きく立派な
賀茂なすが栽培されています。

今回お邪魔した、京都府亀岡市は、
京都市に隣接する地域。
今では府内の賀茂なすの主産地で、
JA京都、京野菜部会亀岡支部
賀茂なす部会を平成元年に発足され
高品質な賀茂なす栽培に熱心に
取り組まれています。
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そんな部会で作られた
露地栽培の賀茂なすは
京のブランド産品にも認定され、
6月中旬から10月下旬まで
毎年約3万ケースを目標に
出荷されています。

ブランド産品の厳しい規格に合うよう、
部会では2週間に一度、
目合わせ会なるものを開き
出荷品の統一をされるなど、
品質を維持する工夫がされています。
なんと専用の肥料まであるそう!

こちらは部会長の松本正尚さんの圃場。
とても美しく手入れが
行き届いていました。
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それもそのはず、
GAP(農業生産工程管理)を導入して
よりよい農業を目指されているそう。
その管理工程には、収穫時の衣服にまで
管理項目があるそうです。
賀茂なす
環境に優しい農業を行うための
工夫もされています。
連作障害や、害虫防除のため、
賀茂なす圃場は、毎年移動します。
米→賀茂なす→2~3年間は米作り
のサイクルだそう。

そうすると害虫を減らすこともでき、
米の稲が余分な栄養分を使ってくれる
ので肥料の管理がしやすいそうです。

無駄な農薬や肥料などを
使わずにすむ工夫はほかにも。
圃場には防風ネットやソルゴーが
周りに植えられていました。
ソルゴーという植物にくる虫が
茄子の害虫の天敵になるそうです

賀茂なすは、一つ一つの実に
多くの養分が必要なため
普通のなすに比べて、収量が少ない
そうです。美味しい賀茂なすを
育てるために葉や枝の選定作業を
欠かすことができません。

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賀茂なすにはトゲがあるため、
風が吹くと自分の葉で傷つくことも。
また、日当りが悪いと発色が
悪くなるため、ご苦労は絶えないとか。

【なすの女王】等と称されることが
ありますが、とてもデリケートで
手入れも女王級なお茄子なんですね。

収獲は、金魚すくいをするような
丸い金属製の器具を使って
大きさを確認しながら行います。
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サイズを測るだけでなく、
このまま収穫できるすぐれもの。

果肉がギューっと詰まった
賀茂なすは、煮崩れもしにくく
煮物にもおすすめです。
是非、この夏、京都の賀茂なすを
味わってくださいね。

賀茂なすの皮は硬いのですが、
亀岡産の露地物は、
まだやわらかくいただけそうです。
皮が気になる場合は、
切れ込みを細かめに。
あくが強いので水にさらしてから
使ってください。

6月には松野社長の京都視察の際に
上賀茂地区の賀茂なすのハウスを
ご案内しました。
そのレポートもぜひご覧ください。
【松野貞文の全国視察記】
京野菜の産地を巡る旅
http://blog.matuno.co.jp/archives/1029773897.html

最後になりましたが、
京都のブランド産品のご紹介を。

 京のブランド産品とは、
安心・安全と環境に配慮した
【京都こだわり生産認証システム】
(農薬・化学肥料の使用を減らした
環境にやさしい農法)により生産された
京都産農林水産物の中から
品質・規格・生産地を厳選したものです。

ブランドマークを貼って流通
されています。
ブランドシールに記載されている
識別番号を入力すると、
生産者と栽培履歴等、データを
確認することが可能です。
是非、HPにてご確認ください。
栽培履歴はコチラ↓
http://kyoyasai.kt.zennoh.or.jp/
*HP画面の【栽培履歴はこちらから 】
をクリックすると検索画面に移動します。