兵庫県のまつのベジフルサポーター
アクティブ野菜ソムリエ
フードライターの坂田理恵です。

沖縄地方は早々に梅雨が明けたものの、
本州はまだまだ天候不順。
でも来週にかけては梅雨の中休み、
つかの間の青空を楽しみたいですね。

夏が待ち遠しい今、
一足お先に、トロピカルな話題
お届けしたいと思います。
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夏においしいトロピカルフルーツ、
といえば、私は真っ先に、
マンゴーを思い浮かべます。

日本の南西部、沖縄や宮崎では、
高品質な国産マンゴーが栽培され、
特に宮崎産のマンゴーは、
メディアにもたびたび取り上げられ、
一躍有名になりました。

マンゴーといえば、南国・・・

というイメージを持っていましたが、
昨年、お友達から、
岡山にもマンゴーがあるのよ
という話を聞き、マンゴー好きな私は
ものすごく興味をそそられました。
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岡山県南部エリアは、
瀬戸内海の穏やかな気候に恵まれ、
温暖で農業も盛んですが、
マンゴー栽培とは意外でした。

待つこと数カ月、
ようやくマンゴーの実が
大きくなり始めた頃、
岡山県瀬戸内市を訪ねました。
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瀬戸内海に近い牛窓にある
マンゴー果樹園のガラスハウス。

牛窓の山に3棟あり、
屋根は全自動開閉式になっています。

マンゴーは、雨に弱い性質をもち、
東南アジアをはじめとする地域では、
乾期を利用して栽培されるのだそう。

晴れの国」とも表現される岡山でも
さすがに雨の影響は避けられないので
天候の変化をセンサーでキャッチして
屋根が自動開閉するしくみです。

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実は、マンゴーはストレスに弱く、
寒暖差が激しいと、表面に、
ヤニのようなストレス物質が出ます。

自動開閉式の屋根は、
気温の変化にも対応でき、
マンゴーをストレスから守ります。
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アーウィン種をはじめ、7品種、
およそ800本のマンゴーの木を、
管理が行き届きやすい、
低木の鉢植え栽培で育てています。

ガラスハウスに一歩足を踏み入れると
BGMが流れていてびっくり!

なんと、モーツァルトの曲でした。

音によるリラックス効果は、
人間のみならず、動植物にも、
期待できるとの研究結果もあるようで
こちらのマンゴー果樹園でも、
その手法を取り入れておられます。

セレブなお嬢様のように、
大切に育てられているのですね。
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だんだんと実が大きくなってくると
重みに負けないように、
上下からひもをつけて支えます。

およそ800本の木のすべてを、
1本1本手作業で行うのですが、
ガラスハウスの中の気温は42度!

ずっしりと重い一眼レフの
カメラを抱えてその中にいるだけで、
汗が背中をじんわりと濡らし、
そのうちに、大汗をかいてしまうほど
ガラスハウスの中は暑い!!!

大変な環境の中での作業です。
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42度のガラスハウスは
お嬢様マンゴーたちにとっては、
この上ない快適な環境で、
蝶よ花よと手をかけられ、
上品で贅沢な暮らし(笑)を
しているのかと思いきや!

生育の過程では、水や肥料を
与えすぎてはいけないのです。


栄養分がたっぷりあると、
実よりも木を大きくしようとする
本能が働くのか、
あまり良い果実ができないのだそう。

環境には細心の注意を払い、
ストレスに負けないように、
手厚いケアが施され、
その一方で、食べ過ぎないように、
ダイエットは徹底的に。

甘やかされるばかりでは、
上品なお嬢様にはなれないのです。

なんて健気なセレブでしょうか(笑)
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岡山でのマンゴー栽培に
興味をそそられたのは、
手がけられたのが、
水道設備工事や
建設・土木工事業を営む、
企業だったということ。

吉野川流域の瀬戸内市は標高が低く、
川や溜池の氾濫がたびたび起こるため
1985年に、国や県、地域が共同で行う
大規模な灌漑工事が行われました。

その工事を請け負った会社のひとつが
シンポー工業株式会社さんでした。

灌漑工事の結果、山の上の畑にも、
吉野川の水が行き届くようになり、
水道の蛇口をひねれば、
いつでも使うことができ、
安定した農作業が行えます。

ところが、農業地域の過疎化が進み、
せっかく水道があっても、
使い手は減少の一途をたどります。
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離農したり、跡継ぎのない農家さんの
水道の元栓を閉めに行くたびに、
働き手を失った田畑の様子を眺め、
胸が詰まるような思いを抱いていた
シンポー工業オーナーの神宝さん。

せっかく整備した水道設備を活用して
農業でこの地域を元気にしたい、
と、考えるようになったのだそう。

マンゴーとの出会いは2005年。
仕事でインドへ行った際に、
生まれて初めて口にしたマンゴーに
衝撃を受け、これは瀬戸内市の
起爆剤になる!と確信して、
水道設備事業とは「畑」違いの
農業への道を切り拓いていきます。
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現在、マンゴーの栽培を行うのは、
シンポー工業から分離独立した
株式会社神宝あぐりサービス
農業生産法人として、
地域の活性化に貢献するべく、
活動を行っています。

2008年からの試験栽培を経て
今では年間18,000個を
生産するまでに成長しました。

瀬戸内・牛窓で育つマンゴーは、
神宝マンゴー
として商標登録され、
贈答品としても人気の商品に。

お話を伺った経営管理部
部長の井上さんは、
マンゴー栽培に活路を見出すことで、
若い世代が農業に夢を持ち、
瀬戸内市で農業をしたい!
と思ってもらえるような
ビジネスモデルになっていきたい、
との思いもお聞かせくださいました。

そんな心意気とともに育てられる
瀬戸内・牛窓の神宝マンゴー

今年の夏は、大切な人への贈り物に
大いなる夢と希望を乗せて
大切に育てられた岡山のマンゴーを
お届けされてはいかがでしょうか。


お問い合せはこちらへ↓
株式会社神宝あぐりサービス
岡山県瀬戸内市牛窓町
牛窓4531-12
Tel:0869-2767
Fax:0869-22-3816
http://www.shinpo-agri.co.jp/


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