皆さま,こんにちは。 
岩手県のまつのベシフルサポーター
野菜ソムリエ千田広子です。

東北一帯は米どころではあるものの
小麦文化も根づく地域。
 
小麦粉を水で練ったものを
数時間熟成させた後
野菜たっぷりの醤油仕立ての汁に
直接摘み入れて食べる郷土料理は
岩手、宮城など広い地域で
今でも愛されています。

はっと、つめり、ひっつみ、とってなげ
などの呼称があり、全国的にすいとんと
言われるものとは、少しだけ違うことから
岩手の郷土料理として紹介します。

呼称は 地域や家庭により様々
由来も諸説あり興味深いです。
この食文化に注目し、
町おこしにしているのが、
宮城県登米市、岩手県奥州市。
 
登米市の全国はっと祭りは毎年12月に
行われ、沢山の種類が登場し
楽しいイベントになっています。

<はっと>
江戸時代
米を満足に食べられなかったお百姓さん
が、小麦作りに精を出し過ぎ、
米作りが疎かになっては大変と
当時の領主がこの料理を食べることを
ご法度にしたという説
同じ小麦粉料理のほうとう、
薄飩(はっとん)が訛った説など

<つめり、ひっつみ、とってなげ>
親指の付け根を上手く使い、
小麦粉を練ったものを薄く引っ張り
汁に摘み入れるという作業からの
呼称です。

実はこの作業には慣れが必要です。
最近は手延べの物が販売されています。
ちなみに知り合いのおばあちゃんは
はっとクィーンの称号をお持ちでした。

汁物に仕立てると呼称が様々ですが
小豆やずんだ、クルミ、エゴマなど、
餅のように絡めて食べる場合は
はっとと呼ばれ、一旦茹でて使います。
 
それぞれ小豆ばっと、ずんだばっと、
濁音になります。

久しぶりに
小豆ばっと&じゅうねばっとを
作りました。
 
小豆ばっとにはカボチャが入ります。
じゅうねはエゴマのこと
その高い栄養価のおかげで
10年長生きできるから、じゅうね。 

エゴマの主成分のαリノレン酸は
体内に取り入れられると、
その一部が
EPA(エイコサペンタエン酸)
DHA(ドコサヘキサエン酸)
に変わり
生活習慣病の予防に効果があると
言われています。

<じゅうね(エゴマ)の和え衣>

材料

エゴマ 大さじ
砂糖  大さじ2
塩    ひとつまみ  
お湯  大さじ2弱

作り方

1、フライパンで乾煎りしたエゴマを
  すり鉢でねっとりするまで擦る
2、砂糖と塩を入れお湯で伸ばす

お餅や団子も和えてお召し上がり下さい

こちらは我が家の定番「つめり」

帰省した子供たちが
いつもリクエストしてくれます。
まさに「おふくろの味」。

具材は特に決まりはないのですが、
野菜がたっぷりでとってもヘルシー。
大根、人参、ごぼう、芋類、キノコ類、
白菜、ネギ、油揚げ又は油麩。
出汁も鶏肉、豚肉、煮干しなど。

 実家の母はワンタン風に
具材はキャベツと豚バラ肉のみで簡単
ゴマ油で風味付けします。
具だくさんのけんちん汁風もよし
キャベツをたっぷり使ったワンタン風も
お試しくださいね。

小麦粉を練る時のコツは
1、耳たぶくらいの固さにする
2、練った後、生地を3時間程度休ませる

ぺろっ シコシコ つるっ シコシコ
その食感から皆さんも
病みつきになるかもしれませんね。

ベジフルサポーター
千田広子のレポートでした。