現地現物を徹底する
社長、松野の産地視察。

西へ、東へ、南へ、北へ・・・
旅の日々は続きます。

先週は北の大地、
北海道は音更町の
JAおとふけ(音更町農業協同組合)へ。

十勝平野の中央に位置し、
小麦・豆類・ビート・じゃがいもなどを
中心に作付けされている
日本有数の穀倉地帯です。 

そ菜(野菜)の作付けも800haを超え、
なかでも盛んなのが
420haを占める人参の生産。

「にんじん」の撰果~出荷までの流れを
視察いたしました。 
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★産地情報★
北海道 JAおとふけ
音更町は十勝平野の中心にある町で
日本有数の穀倉地帯であり、
小麦・豆類・ビート・じゃがいもなどを
中心に作付けされてます。

「コールドチェーン」を確立し、
収穫されたにんじんは
翌日には全国へ出荷されています。

・栽培面積:420ha
・出荷期間:8月~10月
・土壌の特徴:粘土層有り
平成18年度より「作業受委託方式」を導入し、
にんじんの総作付面積は
平成25年度には421ヘクタールと
飛躍的に栽培面積を増やされてきました。

★「作業受委託にんじん」とは★
通常、作物の生産方法は、
畑の耕起(整地作業)から播種、
ほ場管理、収穫作業にるまで
生産者自らが作業を行うのが基本です。

しかし、作業受委託にんじんは、
播種、資材の掛け剥がし、培土、収穫、
収穫後の運搬と言った作業を、
JAが生産者から受託し、
生産者の代わりに作業を行います。

毎年1月には生産者全員と面談を行い
栽培品種、圃場、生産者の方への指導等々、
すべてJA側が主導で行う事ができます。

【メリット】
・農家側:コスト削減・労働力の軽減
・播種、収穫時期は別の作業が行える
・各農家毎に収量・品質の統一が可能。
歩留りも良く安定的に収穫できる。
大型トラクター5台、播種機5台、
自走式カルチ(培土を行うもの)5台、
自走式収穫機22台保有(平成25年度)

★栽培の流れ★
準備は前年の夏から開始。
作業受委託方式による
にんじんの作付申込みを行い、
作付け予定圃場から土壌分析する土を
採取してJAへ提出。

翌年1月に診断結果をもとに
作付予定生産者と面談を行い計画を策定。
計画を元に播種を行います。

4月下旬から開始し、7月上旬で終了。
生育管理は各生産者が行い、
生育終盤に圃場からにんじんを
サンプル採取し、検査機関へ提出。
検査結果が安全であることを
確認してから収穫を行います。

7月下旬~11月上旬までに
約100日間で、随時JA側が収穫スタート!

★撰果の流れ★
1.収穫してから1時間以内に
青果管理センターへ持ち込み。

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 2.洗浄前の冷やし込み(水中投下)。
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写真にある白い人参ですが、
極まれに原種に近いものが収穫されるようです。
食味不良のためこれから1次撰果で取り除きます。
(規格外品は家畜の餌として利用されています)
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 3.1次撰果(規格外品を抜き取る)。
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4.12℃の地下水で洗浄 
12℃の地下水で洗浄し、
人参同士をこすり合わせて
甘皮をむいていきます。
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これにより流通段階での変色を防ぎ、
肌目のきれいな艶のある状態を
維持できるのだとか。
ひと手間が品質を一層高いものにするのですね。

5.冷やし込みをしながらさらに機械選果
(カラーソーター:近赤外線による規格外品除去)
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7.二次撰果 等級の選別
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8.センサーによる階級の選別(形状など)
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9.パレット積みにして真空予冷庫へ
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業務用の20kg箱もあり、
身体に負担がかからないよう
機械で上げ下げが行われていました。
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そして、真空冷却槽で 
芯温3℃まで急速冷却。
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トレース管理も行っています。
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予冷庫で保管(3℃設定)。
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翌日には全国へ出荷。
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 収穫から出荷まで1日という

極めて短いリードタイムで、
棚持ちが格段に違う鮮度のよい
人参を出荷されています。

このほか、長芋(11月~スタート)、
玉葱、南瓜、アスパラガス等の貯
蔵と撰果を行っています。

出荷日量:10kg/DBで13000ケースほど。
最終正品率は50パーセント。

一次、二次と人の手も加わり
緻密に撰果を行います。
センサーなどの機械撰果も交えながら、
目に見えにくい小さな石のかけらも
センサーで弾き出すことができます。

収穫できる約100日間という限られた期間で収穫し、
日々、高鮮度、高品質の人参を
全国へ出荷されています。

JAおとふけの皆さま、ありがとうございました。